談合されないためのポイント

大規模修繕工事においてもっとも注意しなければならないことは、工事業者による談合です。

ここまで、実際の事例や、談合が起こる要因などをご紹介してきましたが、最後に、工事業者(あるいは設計事務所)に談合をさせないためのポイントを幾つかご紹介いたします。

※私のブログ「マンション大規模修繕工事における談合の実態について」「マンション大規模修繕工事における談合の実態について(2)」からの転載・加筆記事です

まずは設計価格の妥当性を確認すること

  • 設計価格が異常に高い場合は、談合がやりやすくなります。
  • 設計価格が妥当な場合は、談合設定する価格の幅が狭くなるので、横並びがばれやすくなり談合がやりにくくなります。

予算規模にもよるが、なるべく多くの工事業者を見積参加させること

  • 数が多いとチャンピオン(談合で受注する業者)を主張する会社も多くなり、談合がまとまりにくくなります。
  • また、談合特有の「横並び」や単価設定の不自然さなどが発見しやすくなります。
  • 業者の応募要件を厳しく設定しすぎると、応募してくる業者の数が限られてしまうので、事前によく検討することが重要です。

設計事務所や応募業者の顔ぶれを確認し、談合に応じそうにない業者を参加させること

  • これはかなり高度のテクニックとなり、業界のことがある程度わかっていないと難しいのですが、工事業者の中には、談合に応じない会社もあります。

談合されたと思ったときは、たとえ以降のスケジュールに支障をきたしても、一旦白紙にもどし(これを「不調」といいます。)最初からやり直す覚悟を持つこと

  • 工事規模にもよりますが、談合をされたら何千万円というお金を無駄に使ってしまうことになります。
  • 着工が1〜2ヶ月遅れて多少の不便や不具合が発生しても、十数年に一度のことです。居住者に理解してもらい毅然とした態度で業者と接することが重要です。

設計監理方式」がもっとも良い大規模修繕工事の進め方だと思わないこと

  • 前述のとおり、設計事務所が談合を主導することもあります。

本当に信頼できる利害関係のないコンサルタントを見つけること

  • 「管理組合の立場に立って…」といいながら、実は談合を主導している業者がたくさんいます。

工事業者の選定には、設計事務所や管理会社を関与させないこと

  • 談合が一番起こりやすい過程は、工事業者を選定する段階です。
  • 安全にできそうな公募でも、設計事務所や管理会社が関与して条件を決めている場合、公募の段階で談合メンバーが決まっている可能性があります。

金額だけでコンサルタントや設計事務所を選ばないこと

  • 金額が一番安いところに発注するのが正解のように思えますが、安い金額で受注しておいて、多額のキックバックを受け取っている設計事務所等が存在します(コンサルタント料は安く抑えられても、工事金額が高くなり損をすることになります)。
  • 設計事務所の見積書を確認する際は、合計金額だけではなく、工数や単価が妥当であるかをきちんと見極めてから決めるべきだと思います。

みなさんのマンションではいかがでしょうか?
現在大規模修繕工事に向けて準備中の管理組合の方々は、是非見直してみてください。

なお、上記ポイント等を見て、「掲示価格が横並びなら談合と思っていいのか?」「偶然横並びになることはないのか?」「重松マンション管理士事務所が談合に関わらないという証拠はあるのか?」などの疑問を持たれる方々もいらっしゃると思いますが、、、個々のケースによって一律に申し上げられない部分であったり、専門知識や経験、ノウハウなどが必要な部分でもありますので、ご興味がある方は一度当マンション管理士事務所にご相談ください。

なお、当マンション管理士事務所では、「当事務所及び所員が業務に際し受領する報酬は、顧客からの報酬のみとし<、関連業者からのリベート・インセンティブ等は一切受け取らない。」という倫理規定と共に、業界初となる「No リベート宣言!もさせていただいております。

ノーリベート宣言!(マンション管理士事務所初)